進化するChatGPTでBVEオブジェクトは作れるのか!?
更新日:8月14日
夏休み。
みなさんは自由研究に何を選び、どんなことに取り組んでいるでしょうか。
……え? 大人だから自由研究はやらない?
確かに、学校から宿題として出されることはもうないかもしれません。しかし、大人になった今だからこそ、自分の「気になる!」を好きなだけ追いかける自由研究があっても良いのではないでしょうか。
そこで今回は、私の自由研究をみなさんと一緒にシェアしていきたいと思います。
この記事を読んで「自分も試してみたい!」と思った方は、ぜひご自身の環境でも挑戦してみてください。
題して――。
【進化するChatGPTでBVEオブジェクトは作れるのか!?】
とんでもない速度で進化を続ける生成AI。
数年前にはできなかったことが、今では当たり前のようにできる。そんな変化も、もはや珍しくなくなりました。
だからこそ、私たち使う側にもアップデートが必要なのかもしれません。
「AIはこれができないんだよね」という過去の固定観念をいったん捨てて、ときどき改めて問いかけてみる。
そういえば、今のAIならこれってできる?
以前は無理だったことでも、今なら意外なほどあっさり実現してしまう可能性があります。
例えば……そう。
AIって、さすがに3Dモデルまでは作れないんだよね……。
これは数年前、私が実際にぶつかった問題でした。
そう。これは過去に一度挫折した研究。
数年前には実現することができなかったことが、この2026年の夏ならばできるのではないか!?
夏休みの自由研究の果てに待っていた驚きの結末をお見逃しなく!!
――――――――記事は下に続きます――――――――
BVE制作に立ちはだかる「3Dモデルの壁」
BVE Trainsimでオリジナル路線を作ろうとすると、線路や勾配、信号、ダイヤだけでなく、その沿線に置く建物や看板、ホーム、架線柱など、さまざまなストラクチャーが必要になります。
線路だけでも列車は走れます。しかし、自分の思い描いた街を作ろうとした瞬間、避けて通れなくなるのが3Dモデルです。
駅舎を置きたい。
住宅街を作りたい。
沿線に商店やマンションを並べたい。
そう考えるほど、必要なオブジェクトはどんどん増えていきます。
既存の公開素材を探して使う方法もありますが、「ここにこんな建物が欲しい」という希望に、毎回ぴったり合うとは限りません。自作するとなれば、形状を考え、頂点や面を組み、テクスチャを作り、UVを合わせ、BVEで読み込める形に整える必要があります。
そこで頭をよぎるのが、BVE制作者にはおなじみかもしれないこの言葉。
「オブジェクトデータを作るのって、めんどくさいんだよなぁ……」
もし、この工程を全部AIが手伝ってくれたら?
BVEで路線を作りたいと思いながら、3Dモデル制作の難しさに阻まれてきた人も、もっと気軽に自分の世界を形にできるのではないでしょうか。
それが実現すれば、BVE界隈はさらに発展し、これまでになかった路線や風景が次々と生まれるかもしれません。
……と思ったのは良いものの、数年前に試した際は、AIに正しい.xファイルを作らせることができませんでした。
作り方や記述方法は教えてくれる。しかし、そのまま読み込んで使える完成品にはならない。
結局、当時は断念せざるを得ませんでした。
――しかし!!!
世はAI大発展の時代。
過去の常識なんて、もうとっくに壊れているかもしれないのだ。
そんなわけで、今年の夏休みの自由研究はこれだ!!
改めてChatGPT本人に聞いてみた
早速、舞台をChatGPTに移し、今回の肝となる部分を問いかけてみました。
蔦宮:BVE用の「.x」オブジェクトとテクスチャデータって、ChatGPTで作成できるの?
すると、返ってきた答えは――。
ChatGPT:はい、作成できます。
このチャットでは、まとめて次のものを作れます。
1. BVE用のテキスト形式.xモデル
2. 対応するPNG/BMPテクスチャ
3. UV座標・材質・透過設定
4. ストラクチャーリスト
5. マップ上に配置するための記述例
6. 必要であればLOD違いや昼夜差分
作りやすいのは、駅名標、看板、電柱、柵、ホーム、標識、道路、簡単な建物などです。複雑な駅舎や車両も不可能ではありませんが、写真だけから完全に正確な寸法を復元するのは難しいため、寸法資料や複数方向の写真があるほど精度が上がります。

「お!!!!!」
思わず声が出ました。
なんと、ChatGPT本人がはっきり「作成できます」と言うのです。
数年前まではモデルの作り方を説明するところで止まっていたChatGPTが、今ではモデル本体だけでなく、テクスチャや配置用の記述までまとめて作れると宣言している……。
成長した我が子に涙ぐむような感情に浸る独身成人男性をよそに、検証を先へ進めていきます。
もちろん、口で「できます」と言うだけなら簡単です。
本当に大切なのは、出力されたデータをBVE6が読み込み、実際の路線上に3Dオブジェクトとして表示できるかどうか。
ここからが本番です。
――――――――記事は下に続きます――――――――
最初のお題は「現代日本の一軒家」
最初から看板のような平面的なオブジェクトだけを頼んでも、今回の検証としては少し物足りません。
せっかくなら、壁、窓、玄関、屋根など、複数の面で構成された「きちんと立体に見えるもの」を作ってもらいたい。
そこで、次のようにお願いしてみました。
蔦宮:では早速、BVE用のオブジェクトデータを作成してもらおうと思います。現代日本の一軒家を、BVE6用の.xとPNGテクスチャで作って。
ChatGPTから返ってきたのは、次のような回答でした。
ChatGPT:できます。今回は、すぐBVE6へ読み込めるように「家本体の.x」「PNGテクスチャ」「ストラクチャーリスト例」「配置例」を一式で作ります。寸法指定がないため、郊外にありそうな2階建て住宅(約8.4m×7.2m、切妻屋根)として設計します。

こちらから伝えたのは、「現代日本の一軒家」という大まかなイメージだけ。
参考写真も、設計図も、細かな寸法指定も渡していません。それでもChatGPT側で建物の規模や屋根の形を決め、BVE6で使用するための一式を組み立て始めました。
今回はChatGPTのWorkモードを使用しています。作業中には、現在どんな内容を確認し、何を作ろうとしているのかが随時表示されます。
眺めていると情報が次々と更新されていき、単に返答を待つというより、目の前で制作が進んでいるように感じられました。
思考レベルは5段階のうち、真ん中の「高い」に設定。通常より時間をかけて考えてもらいます。
さてさて、結果は……?
6m 53s考えました

お~、考えたねぇ~!!
約7分。
人間がゼロから住宅モデルを作り、テクスチャを用意し、BVE用の記述まで整える時間として考えれば、かなり短いはずです。
とはいえ、どれだけ立派な説明が添えられていても、BVE上で表示されなければ意味がありません。
さてさて、そのお手前……拝見させていただきましょう!!
――――――――記事は下に続きます――――――――
まずは試験線を用意する
完成したストラクチャーを確認するには、実際に配置して走行できる路線が必要です。
しかし、ちょうど良い試験線を用意していなかったため――試験線そのものもChatGPTに作ってもらいました。

【画像:ChatGPTが作成したBVE6用試験線】
今回はオブジェクトの表示確認が目的なので、必要なのは線路、架線、地面などを備えたシンプルな直線区間です。
この程度の試験線であれば、ChatGPTでおよそ3分。以前からBVE制作をしてきた身としては、それだけでもかなり衝撃的です。
制作環境を整えるための「下準備」までAIに頼める。これは、思いつきをすぐ検証したいときに非常にありがたい部分でした。
いざ読み込み!!
それでは気を取り直して!!
生成された.xファイルとPNGテクスチャを所定の場所へ入れ、ストラクチャーリストに登録。マップへ配置して、BVE6を起動します。
緊張の一瞬です……。

【画像:遠方に住宅オブジェクトが見え始めた場面】
お!!!!!
あの遠くに見えるのは!?
列車を走らせて、もう少し近づいてみましょう。

【画像:線路脇に表示された住宅オブジェクト】
おおおお!!!!!!!
家だぁぁぁぁぁ!!!!!
これは紛れもない家だ!!!!
すごすぎる!!!!
四角い箱に屋根を載せただけではありません。
窓がある。玄関がある。外壁にもそれらしい質感がある。そして、こだわりのベランダまで付いている!!
何より驚いたのは、これが参考画像を一枚も提示せず、最初の指示から一発で出力されたデータだということです。
「現代日本の一軒家」という言葉から、沿線に置いても不自然ではない住宅の姿を組み立て、実際にBVE6上で読み込める形にしてきました。
もちろん、実在する建築物を完全再現した精密モデルとは目的が異なります。しかし、車窓から見える沿線風景の一部としては、十分に「そこに家がある」と感じられる仕上がりです。
正直、この時点ですでに当初の予想を大幅に上回っていました。
しかし、自由研究は成功を眺めて終わりではありません。
よく観察して、問題点も探してみます。
――――――――記事は下に続きます――――――――
よく見ると、屋根が消える……?
列車の視点や位置を変えながら確認していると、ひとつ気になる部分を見つけました。

【画像:下から見ると屋根の裏側が消えている場面】
近づいて下から覗き込むと、屋根の裏側が透過してしまっています。
これは、屋根の面が表側から見える向きにしか用意されておらず、裏側から見たときに表示されなくなっていたためです。
通常の車窓から眺めるだけなら気づきにくい部分かもしれません。しかし、勾配や高架、カメラ位置などによって建物を下から見る場面があれば、屋根が突然消えたように見えてしまいます。
一発で完璧――とはいきませんでした。
けれど、ここからが今回の検証でいちばん重要なところです。
AIが最初の指示でモデルを作れるだけでなく、実際に使って発見した問題を伝えれば、内容を理解して修正できるのか。
もちろん自分でMetasequoia(BVEでよく使用される3Dモデル編集ソフト)などを使って直しても良いのですが、今回は自由研究。修正もChatGPTにお願いしてみましょう。
蔦宮:屋根の裏側が透過しちゃってるので、下から見ると消えてしまいます。違和感が出ないように修正してください。

伝えたのは、発生している現象と、どう見えてほしいかだけです。
するとChatGPTは問題を理解し、屋根の裏側が見えるようにモデルを修正。期待の持てる説明と一緒に、ファイルを再出力してくれました。
なんて物分かりが良いんだ……。
こんなの、下手をしたら生身の人間にお願いするより話の理解が早いかもしれません。
とはいえ、修正版も実際に読み込むまでは安心できません。
それでは修正データ、いざ拝見……!!!
――――――――記事は下に続きます――――――――
修正は、わずか1回で成功

【画像:屋根の裏側まで正常に表示された修正版】
お!?!?

【画像:屋根修正版のアップ】
いや、すごすぎじゃね????
先ほど消えていた屋根の裏側が、今度はきちんと表示されています。
外から見た住宅の印象を壊すこともなく、下から覗いたときの違和感だけが解消されました。
これ、修正回数はたったの1回です。
最初に出力されたデータへ「屋根の裏側が消える」と伝え、それに対する修正版を受け取っただけ。
正直、この企画を始めた自分自身がいちばん驚いています。
AIが3Dモデルらしきものを出した、というだけではありません。
1. BVE6向けの.xモデルを作る
2. 対応するテクスチャも用意する
3. 実際にBVE6上で読み込める
4. 使用中に見つかった不具合を言葉で伝える
5. 内容を理解した修正版が出てくる
ここまでの流れが、ひとつのチャット内で成立してしまったのです。
えー、正直に言います。
いくら何でも、ここまできれいなモデルができるとは思っていませんでした。
想像以上にも程があります。すごすぎる……。
「作れない」から「一緒に直せる」へ
今回の検証で特に大きいと感じたのは、最初の出力品質だけではありません。
生成されたデータに問題があったとき、専門的な修正箇所をこちらで完全に特定できなくても、「どこから見ると、どうおかしいか」を自然な言葉で伝えれば修正を試みてもらえることです。
従来の3Dモデル制作では、不具合を見つけたあとに、その原因を調べ、ソフトの操作方法を覚え、自分で修正する必要がありました。
もちろん今後も、細かな調整や最終確認には人間の知識と目が必要です。それでも、「問題を説明するところ」から制作を続けられるのは、初心者にとって非常に大きな変化だと思います。
ChatGPTは、最初から何でも完璧に仕上げる魔法のボタンではありません。
しかし、試作品を素早く作り、実際に動かし、気になった点を伝え、修正を重ねていく相手としては、すでにかなり実用的なところまで来ています。
BVE制作界隈に、
新しい入口ができるかもしれない
これは、BVE制作界隈も新しい時代を迎えてしまったかもしれません。
これまで、
「路線を作ってみたいけど、オブジェクトデータを作るのがなぁ……」
と思い、開発を諦めてきた人はかなり多いはずです。
路線の構想はある。駅名も考えてある。ダイヤも作ってみたい。
でも、沿線に置く建物が作れない。駅が作れない。結果として、最初の一歩を踏み出せない。
そんな悩みが、少しずつ過去のものになっていく可能性があります。
AIがすべてを代わりに作るから価値がなくなる、という話ではありません。
むしろ、基礎となるモデル作りをAIに手伝ってもらうことで、人間は「どんな路線にしたいか」「どんな街を走らせたいか」という創作の中心へ、より多くの時間を使えるようになります。
生成された住宅をそのまま使うだけでも、沿線風景は作れます。
さらに色を変える。窓や屋根の形を調整する。地域らしい植栽を加える。オリジナルの看板や広告ポスターを設置する。
そうやって手を加えていけば、ただの住宅モデルが、自分の世界にしか存在しない建物へ変わっていきます。
そして――。

【画像:住宅・マンション・看板などを配置した街並み】
※線路・架線等以外全てChatGPTで制作しました。マジかよ……。
自分だけの街が生まれるのである!!!
――――――――記事は下に続きます――――――――
実際に試して分かったこと
今回の自由研究から分かったことを、簡単にまとめます。
1.大まかな指示だけでも、使用できる形まで作れた
「現代日本の一軒家」という抽象的な依頼から、住宅モデル、PNGテクスチャ、ストラクチャーリスト例、配置例まで出力されました。
少なくとも今回の環境では、それをBVE6上へ読み込み、実際に表示させることができました。
2.一発で完全ではないが、修正を言葉で頼める
最初のモデルには、屋根の裏側が表示されない問題がありました。
しかし、現象を文章で伝えるだけで修正版が出力され、1回のやり取りで違和感を解消できました。
3.「動く試作品」を作るまでが非常に速い
住宅モデルの生成は約7分。確認用の簡単な試験線も約3分で用意できました。
ゼロから制作環境を整え、最初の形を画面に出すまでの時間を大きく短縮できます。
4.最終確認は、やはり人間に必要
ChatGPTが「完成しました」と言っても、本当にBVE上で読み込めるか、視点を変えたときに破綻しないか、サイズや向きが路線に合っているかは、実際に確認しなければ分かりません。
今回も、BVE6上で下から覗いてみたからこそ、屋根の問題を発見できました。
AIが作る。人間が試す。気になった点をAIへ返す。
この往復こそが、今のところ最も現実的で、面白い使い方なのだと思います。
挑戦するときのコツ
これから試してみたい方は、最初の依頼に次の情報を入れると、より希望に近いモデルを作りやすくなります。
使用するBVEのバージョン
欲しいオブジェクトの種類
おおよその幅・奥行き・高さ
屋根、壁、窓などの色や形
どの距離、どの角度から見ることが多いか
テクスチャ形式や透過の有無
ストラクチャーリストや配置例も必要か
実在する建物に寄せたい場合は、正面だけでなく側面や背面の写真、分かる範囲の寸法も提示すると、認識のずれを減らせます。
そして、最初から一度で完璧にしようとしないこと。
まずは出力して、BVE上に置き、いろいろな方向から見る。問題があれば、スクリーンショットと一緒に「何がどう見えるのか」を伝える。
この進め方が、完成への近道になりそうです。
注意:作れたからといって、何でもそのまま公開して良いわけではない
自分で楽しむ試験用データと、多くの人へ配布する公開データでは、求められる確認の範囲が異なります。
公開する場合は、表示崩れの有無、ファイル構成、動作負荷、利用している画像や意匠の権利、配布先のルールなどを自分でも確認する必要があります。
また、ChatGPTの出力結果は依頼内容や実行時の環境によって変わるため、同じ指示を送れば必ず同じモデルが完成するとは限りません。
便利な制作補助として活用しながら、最後は制作者自身が責任を持って確認する。この点は忘れないようにしたいところです。
――――――――記事は下に続きます――――――――
結論:ChatGPTでBVEオブジェクトは作れた!
今回の自由研究、その結論は――。
ChatGPTでBVE6用のオブジェクトデータは作れました!
しかも、単に.xファイルらしき文章を出力しただけではありません。
PNGテクスチャと組み合わせ、BVE6上へ実際に配置し、列車で近づいて眺められる住宅になりました。さらに、表示上の問題を伝えることで、修正版まで作ることができました。
数年前にはできなかったことが、今ではできる。
まさに今回のテーマどおり、「過去の常識が壊れた」瞬間です。
もちろん、精密な実在建築の再現や、複雑で軽量なモデルを最初から完璧に作るには、まだ人間の調整や知識が必要になるでしょう。
それでも、「3Dモデルを作れないから路線制作を始められない」という壁は、確実に低くなっています。
自分で作った街を、自分で敷いた線路から眺める。
その楽しさは格別です。
何駅もある大規模な路線データを完成させるのは大変ですが、最初からそこを目指さなくても良いと私は思います。
自分の納得できる短い試験線を作る。
そこへ家を一軒置く。
看板を立てる。
マンションを増やす。
少しずつ街ができていく様子を眺める。
それだけでも、BVEの路線制作は十分に楽しいものです。
みなさんも今年の夏休みは、ChatGPTと一緒にBVEのオブジェクトデータや路線を作ってみてはいかがでしょうか。
かつて「自分には難しい」と諦めたことも、今ならできるかもしれません。
思いついたら、もう一度AIに問いかけてみましょう。
そういや今は、これってできる?
そこから、新しい創作が始まるかもしれません。
それでは――。
鯉留地方計画、出発進行!!
※本記事は2026年8月時点のChatGPTを使用した検証結果です。生成結果や利用できる機能は、使用環境・プラン・指示内容・時期によって異なる場合があります。
※BVE Trainsimのストラクチャー読み込み・配置構文については、BVE Trainsim公式「シナリオをつくる」もあわせてご確認ください。
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