飼い猫を夢見る野良猫をテーマとした一曲です。野良猫ながらに人間に愛されることを望み、羨んでいる様子をちょっぴり悲壮的に歌う曲となっています。“愛が実らない恋愛”に通ずる部分もあるため、失恋ソングとしても捕らえることができます。 【歌詞】 １A 満たされぬ渇愛感　日向ぼっこじゃ埋まらない　fading warmth 時と場所の誓い　籠と路地の違い 差し出すカリカリ　口に頬張ってわかるこの愛情　向けていたのは私じゃないのね １B Always have you on my mind.　この想いがすり減ることなんてないけど Can’t you see? あなただけだよ　しっぽの揺らぎもお昼寝も秘密のまばたきも １S ご褒美さえなくても構わない　主人（あなた）といられるなら なのにもっともっと見つめてって　もっともっと愛してって！ 願わずにはいられない気まぐれな心が 私を静かに支配する 今日も軒下で床に就く ２A 揺るぎない主従は　猫かぶりじゃ変わらないhidden claws［ヒ（d）ゥン・クロォズ］ 自由と危険のhybrid　純愛と堕愛の差異 差し出す獲物に　悲鳴上げる主人（あなた）の目恐怖色　心の塀は一方通行 （間奏） ２B Your love is my sweetest cage. 　たまに暴力的な顔に取り憑かれて Can’t you tell?　私だけだよ？　寂しさに震え軋み出す心の疼痛は 2S ご褒美など求めることもない　あなたと過ごせるなら なのにもっともっと構ってよって　もっともっと触れてよって！ 主人（あなた）無しじゃいられない　ずぶ濡れの毛並みが 私の体温を奪っていく 今日も虚しさの淵に立つ 3S 片時さえわすれることはない　主人（あなた）の温もりが 私に生きる意味を与える 今日も主人（あなた）の帰りを待つ 【曲調について】 ピアノをメインとして展開することで、少し寂しくロマンチックな様子を表現しています。2Aと2Bの間に短い間奏が入っているのもこの曲の特徴です。 野良猫をテーマとしているため、曲の入りは道端の環境音になっています。 サビ前のドラムは、1番では2小節分。2番では4小節分になっており、曲の変化に伴う主人公（猫）の心情変化をテンポ良く表現しました。 全体を通してスピード感があり曲調の変化があるため、勢いよく聴くことができます。繰り返し聞いても「飽きない」・「旨みが出る」そんな一曲に仕上げました。 【歌詞について】 まず、仮タイトルにある『ねこA』は、“この野良猫が人間（主人と呼んでいる餌をくれる好きな人）にとって、あくまで「ただの野良猫Aに過ぎない」”という意味を込めて名付けています。 歌詞の内容は、「ネコ」という生物の生態に擬人化した感情を乗せています。中途半端に餌付けだけされてもどかしい気持ちばかりを抱える主人公（野良猫）の心情をお楽しみください。 少し難しい歌詞になっていますので、以下に解説させていただきます。 ［1A：時と場所の誓い　籠と路地の違い］ 野良猫と人（主人）を結びつけているのは、決まった時間に提供されるエサ（カリカリ）です。つまり、時と場所でしか彼ら（彼女ら）は繋がっていないのです。 そして、飼い猫と野良猫の違いを最も顕著に表していると言えるのがその住環境で、「籠」と「路地」がそれを示しています。 ［1A：差し出すカリカリ　～　私じゃないのね］ 歌詞を読み解くのが得意な方は、この部分で違和感を持ったかもしれません。 人（主人）は野良猫にエサを与えているのに、そのエサの中身は「カリカリ」なのです。ここでいう「カリカリ」とは、猫用の人工餌のことを表しています。 つまり、人（主人）は飼い猫を現在飼っている、もしくは過去に飼っていたということになるのです。その事実を踏まえると、主人公の野良猫は複雑な心境になることでしょう。人間で言うならば、“自分の好きな人から、別の人に渡すつもりだった花束をプレゼントされている”ような感覚なのです。 ［2A：自由と危険のhybrid　純愛と堕愛の差異］ 野良猫というのは自由です。好きな時間に好きなように好きな場所を行動することができます。しかし、その反面、交通事故や野生動物、病原菌、ダニやノミなどの危険と向き合うことも必要です。そんな野良猫の特性を表現しています。 そして、それに相対するように、またしても飼い猫との違いを続けています。 安全圏で人間から受ける正当な純愛。それに対して、野良猫にエサのみ与え続けるというのは、中途半端に保護して生殺しにされているような堕愛（依存して堕ちていく背徳的な愛）と捉えることができます。 ［2A：差し出す獲物に　～　一方通行］ これは猫の習性の一つで、信頼していたり慕っている仲間に自らの獲物をプレゼントするというところから来ています。ここで言う「差し出す獲物」というのは、「ネズミ」や「ヘビ」などのことです。 野良猫にとっては感謝や愛情表現のつもりで渡しているのですが、人間にとってはそれを恐怖の目で見たり困惑したりします。その様子と感情の行き交いを、野良猫がよく通路として使用する「塀（ブロック塀）」と併せて表現しました。 追記：英語が非常に苦手なので仮歌の英語部分がかなり音程やリズムを外しています。（特に2B）お手数をおかけしますが、ボーカル収録をする際にはあまり参考にされないようにご注意ください。

学問や教科書をテーマに、自らの存在意義や自己実現を力強く表現した一曲です。ギターのノリの良い音をメインに採用し、誰でも曲に入り込み、盛り上がれるような曲を目指しました。 【歌詞】 IN この狭いこの狭い地球の片隅で　僕は一体何ができるという？ この広いこの広い地球の真ん中で　僕は何を見つけたというのか？ この空に意味はあるのか？ 1A 気だるい身体は重力に寄せられ　淀んだ空気が僅かに流れてる 「そりゃリンゴでさえ落ちたくなるよな」と　オリジナル理論並べ布団へ飛び込む 1B 教科書には書かれてない　問題が溢れかえる世界で 自分のことすらままならないのに 「Aさんのこの時の気持ちを考えなさい」がわかるわけないでしょう？ 1S この狭いこの狭い地球の片隅で　僕に託された使命教えるNPCはどこにいるの？ せめて心残りだけはしたくないから　 遠く抱いた夢抱え　今日を生きていくだけ 2A 冴えない頭にはカフェインを取り入れ　足りない栄養はドリンクで賄う 化学式で言い表せる世界で　証明しようのない心情はどう書き出す？　　　 2B 子供の頃開いた図鑑に　名のない外来種がはびこる 自分だけの美術作品に低評価 この気持ちの定理は何だ？　過ちの返り点どこだ？ 通知表の所見欄ですら独断だけだろう？ 2S この広いこの広い地球の真ん中で　僕だけが感じられた気持ちなんて存在するの？ せめて存在価値は見いだしたいから 近く手の届きそうな　目標を掲げてくだけ 3S せめてこの命が燃えている限りは この空の下ただ明日を　解き明かしていくだけ 【曲調について】 イントロはサビのアレンジで始まり、2番のBメロは1番と異なるメロディにしています。 「同じような部分」を減らすことで、曲全体で聴いていて飽きない引き締まった印象にすることができました。 音程の低い部分と高い部分が適度に混ざっているため、どちらの声質でも、男性女性ボーカルでも、聴いていて楽しいと感じていただけるのではないでしょうか。 強弱を付けて映える部分も多く存在するため、歌い手の個性や味もしっかり表現できる一曲に仕上がっていると思います。ぜひ思うままに気持ちよく歌っていただきたいです。 【歌詞について】 曲全体を通して、「学問」や「教科」に関する内容を盛り込みました。 例えば、“リンゴでさえ落ちたくなるよな”→【物理】や、“過ちの返り点どこだ？”→【古典】などなど、それ以外にも数多く取り入れました。 歌詞の主題としては、自らの存在意義や目標などといった、人生における漠然とした不安を取り上げています。この楽曲では、そんな不安を抱きながらも“なんだかんだで明日を生きる決意をする”という、ダークなようで実は前向きな曲となっています。 そんなギャップも、歌い手様とファンの皆様に楽しんでいただけると嬉しいです。